「二十周年記念オンラインシンポジウム」開催報告

井本昭(MEF 小天体探査フォーラム運営事務局)
 

すでに矢野さんが書き下ろしてくださった、” 最先端の小天体探査に息づく、西暦2000年のアイディア ”が有りますので、そこから MEF の二十年に亘る実績を辿ってみてください。その上で、私たち MEF メンバーが今、何を感じているのかを、以下でご紹介する議事録から窺って頂ければ幸いです。結果としては、想定しなかったオンライン会議の進捗でしたが、それはそれで意義深いものであったと感じています。

ただ、進行役のひとりとして事務局井本は、深い反省と折角の機会をもっと充実したものに出来たのではないか、という後悔に近いもどかしさが胸に燻っております。次回開催の機会があれば、懲りずに「招集」に応じて頂ければ助かります。二度とヘマはしません(キッパリ)。
 

オンラインシンポジウム 2020 書き起こし

※ しばらく時間が掛かります。お待ちください。
 

当日の参加者 Zoom 画像とコメント


Image Credit : Minorbody Exploration Forum
 

矢野創
MEF はもはや TPSJ の一部として存続している以上、今日の話は MEF ではなく TPSJ の未来にかかわる話なのだと思います。本日の機会を、参加された30余名の方々やさらに若い方々が TPSJ というステージでも活躍していただけるきっかけにしていただければ、本望です。
 

矢治健太郎
昨日のオンラインイベントではお世話になりました。大変楽しいひとときでした。はやぶさ帰還のときは、わたしはひのでやあかつきのアウトリーチに関わっていたころで、はやぶさ帰還はほっと傍から見ている感じでした。そんなこともあり、ちょっと遠慮して、当初は顔出ししていなかったのですが、終盤にごあいさつをかねて顔出ししました。その際、ご指名いただき、ありがとうございました。

それでも、科学技術館の科学ライブショー「ユニバース」では、はやぶさ関係者にゲストに出ていただきましたし、わたしが講師を努めた放送大学の講義でも、はやぶさの話題は必ずとりあげておりました。「ユニバース」では、大学の天文部の1年先輩という縁で、はやぶさグループで、カプセル回収に関わった安部正直さんにも来ていただいたことがあります。この辺の話もすればよかったかなあと思いつつ、遠慮してしまいました。
 

中根純夫
昨日はありがとうございました。お疲れ様でした。
10年前の会合のときには私も呼んでいただきました。なんとも多彩な方が参加されていた、井本さんの交流の広さ、これだけの方が参加できるところに寄せていただけるのは嬉しいかぎりです。超、超、有識者の集いだと思います。

「過去の各々の方の思い」と、「これから先の展望」とが混ぜこぜになって、沈黙の時間が結構長かったのは、少し残念でした。もっと双方向性を生かして、これまでの経緯、過去を振り返り、これから先の話題にもっと多くの時間があればと思いました。

TPSJ / MEF が発展する視点からも、小天体探査・観測を MEF で取り組むなら、肝要なものの幾つかのうち、欠くことができない一つは通信です。TPSJ / MEF が主体となり、国立天文台から(古く論文を生まない研究ができない)アンテナを借り受ける団体を作り、市民参加+技術者+研究者が、国内外から協力して改修し、
・その過程を公開すること自体が小天体探査の PR にし、そして
・それを多数の内外から打ち上げられる小型探査機との通信に使える、
・(幼稚園から後期老齢者までの多彩なみなさんに対し)て教育・啓蒙に、これらすべて小惑星探査の話題につながる無線ですが、(電線があるかのように)伝染する、TPSJ / MEF の発展につながると思います。
 

阿部新助
本日は大変お世話になりました。MEF + TPSJ の存在を改めて考える良い機会となりました。お疲れ様でした。。。
 

永山悦子
個人的な感想です。

・MEFの構想力に感嘆しました。
・MEFのアイデアが国内で生かされない意味を考えなければならないのでは。つまり、「人類として」生かす方向を考えねばならないと。
・MEFのような形が、単純な研究者ムラにならないため(かつオタクムラとならないため)のモデルケースにしていければ、と。
・現状のMEFは存在感が薄まってしまっている? 矢野さんのおっしゃる通り、どのような形で存続させるのか、あれだけのメンバーの英知を生かせるのか、と思いました。
・MEFの検討課題への国民(社会)の理解をどのように広げればいいかを考えねば、と。
・そもそも「深宇宙探査」への国民・社会の理解をどのように得るか、と。
 

井本昭
このような機会が訪れることすら想像もしなかった二十年前ですが、現実として今もこうして存続している MEF は、素晴らしい発案、創設であったと思いっ切り納得しております。

矢野、秋山、寺薗、中村各氏が発案したウェブフォーラムは、今到達した「当時における将来」を予見したかのような現在の環境において、MEF はその一定の役割を終えたとは言え、やはり継続は必要であったのだと強く感じているところです。

皆さんのお話をお聞きし、いろいろなアイデア・企画を頭の中で描き始めています。年末の「はやぶさ2地球帰還」までには実現しそうな企画も見えてきました。当然のように、MEF メイリングリストでご協力をお願いに上がりますので、二十年間、「公開ページにネタをください」と言い続けてきた井本の連綿と今後も続く「お願い」に是非、耳を傾けて頂ければ、老齢となりつつある井本はとっても助かります。さらには、そろそろバトンを受け取ってくださる方が名乗りを上げてくだされば、もう「昇天」しちゃうかもしれません。

矢野さんがフォローくださいましたが、惑星協会という公的な宇宙機関外の団体として有力な「場所」を我々は手にしています。前任理事の的川、水谷両先生から、決して巧妙な手段を講じることなく真正面からの再設立を「勝ち得た」結果、現存しているのです。

今後まず行うべきこととして、長野高専の大西先生が提案くださった、若い方々へのアプローチはどのようであるべきか、というのを皆さんをはじめ、今後お知恵を授けてくださるであろう方々に問いかけてみたいと思います。もちろん、その若い方々の場に身を投じていくことも辞さず、あと残された自身の時間を「喜びを湛えつつ消費」して行こうと思います。
 


Image Credit : Minorbody Exploration Forum
 


Image Credit : Minorbody Exploration Forum
 

MEF へは以下から参加できます。
” 小天体探査フォーラム参加登録 ”