The Planetary Society of Japan

ブラウン惑星人の日々 September 2017

アメリカンアイドル

POSTED BY: Takahiro Hiroi | DATE: September 09, 2017

皆様、日本も秋の過ごしやすく美しい季節に突入したと思いますが、ボストンは朝は寒いくらいの温度になりました。何と一昨日、私のアパートの冷蔵庫が故障してしまい、十分に冷えないので、取り換えるまでの数日間、冷凍庫で氷を作ったりや冷却材を冷やしてそれを入れてしのいでいます。涼しくなったので幸いですが。娘たちは大学のキャンパスに戻り、長女は何と今年はブラウン大学の4年生です。ついこの前入学したばかりと思ったのに、時のたつのは早いものです。

さて、9月1日から東北大の中村研の松岡さんが今月いっぱい私のところに来て、可視から赤外までの分光スペクトルの解析法を学んでいます。主成分解析・関数分解・混合計算などが主になると思いますが、まずはRを使ってマーチソン隕石をレーザーで宇宙風化させたスペクトルの主成分解析に取り組んでもらっています。ちょうど昨日、MITのリック・ビンゼル教授のところに1年間訪問していたフランス人のカトリーヌ・ランツさんがここの惑星グループの昼食セミナーで講演しました。博士号を取ったばかりの若いポスドクのようです。

PLANETARY LUNCH SEMINAR
Thursday, September 7, 12:00 (noon), LF 209
Catline Lantz, MIT

Clues on space weathering of primitive Near-Earth Asteroids
based on laboratory experiments"

我々もレーザー照射で行っている炭素質コンドライトの宇宙風化模擬実験をHeイオンとかの粒子線で太陽風を模擬して行った結果の発表です。小惑星のスペクトルとも比較していました。大体我々も知っていることでしたが、やや新しいことは、Bus-DeMeoによる小惑星スペクトルの分類と同様に、C型Complexにおける細分類はスペクトルの曲率が関係していることが再現できているようであるということでしょうか。タギシュレイク隕石がD型スペクトルからC型スペクトル的に宇宙風化で変化することは私がだいぶん前に示してありましたが。

今朝もいつものように8時のバスに乗るために7時ちょっと過ぎにアパートを出たのですが、いつも歩いて通過するボストンコモンに何と長蛇の列。写真の上半分に示したように、正面の入り口のバスが止まっていて警備の人々もいて、私が通る中心部あたりまで列になっています。下半分に示したのが先頭部分で、立っている青年に尋ねたら、アメリカンアイドルのオーディションのために並んでいる参加者たちであるということでした。スターになるのを夢見る人々のようです。いつか自分も有名になりたいなあ、などという気持ちになりました。アメリカらしい雰囲気です。

下画像. アメリカンアイドルオーディションのためにボストンコモンに集まった長蛇の列(上)とその先頭で待つ人々(下)。

松岡さんも来ているし、緊急の試料の測定は終えたので、研究指導をしつつ、自分も遅れている論文の執筆にとりかかろうかと決意しているこの頃です。夏休みに書こうと思っていた本も、書き始めたら、まだまだ自分に内容が足りないことを実感し、再考しているところです。11月の帰国では、晶さんが授業をさせてくれるそうなので、KASIでやった集中講義の一部を調整してやろうと思っています。宇宙風化実験も新たな方式に挑戦すべく準備しているところです。はやぶさ2ミッションを隕石分光・測光の科学で支えられるのは自分しかいないと思って頑張りたいです。

 

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