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IMAGE LIBRARY 太陽系 - Solar System

Modified: December 03, 2016

Asteroid - 小惑星

小惑星は原始太陽系の時期に存在した微惑星が互いに衝突を繰返して成長した小天体で、いわば太陽系形成後の残存物と考えられている。大きさは、砂粒大から大きいものでも直径は 1.6 km 程度である。そして大部分は、火星と木星の間にある小惑星帯(太陽から 3~4.5億 km の領域)の中で太陽をまわっている。正確な軌道が確認された小惑星は約 1万8,000 個であるが、総数は百万個とも言われている。

小惑星の中には、地球軌道の内側にまで入り込んでくるものもある。地球に危険な地球近傍小惑星(NEA)である。地球に衝突する可能性のある彗星と併せて、地球近傍物体(NEO)と呼ばれている。NASA のデータによると、次の100年間に地球の軌道に入り込む可能性のある NEO の数は約 100個と推定されている。

小惑星は反射光のスペクトル型により、S 型(けい素質)、C 型(反射率の低い炭素質)及び M 型(金属質)に大別される。
 

 

小惑星ガスプラ

ガスプラは惑星探査機が観測した最初の小惑星である。1991年10月29日、木星探査機ガリレオはガスプラの 1,600 km 以内を接近通過した。

左は最接近の10分前、約 5,300 km の距離から撮影された画像である。ガスプラには、直径 100 m 以上の衝突クレーターが 600個以上もある。ガスプラは過去3~5億年の間に繰リ返された、小惑星同士の激しい衝突で壊れて飛散した破片の一つであると考えられている。形状は不規則。7日間の自転周期を持つ。 大きさは約 19 x 12 x 11 km である。

右は、ガリレオの電荷結合素子カメラが捉えたカラー画像。ガスプラは S 型小惑星に属している。
 

 

衛星を持った小惑星アイダ(イダ)

数は定かでないが、衛星を持つ小惑星は珍しいことではないと考えられている。

1993年08月28日、探査機ガリレオがアイダに最接近する約15分前、1万300 km の距離から撮影した画像である。右側に見える小さい塊が衛星のダクティルである。アイダの長辺は 58 km である。
 

 

アイダ衛星ダクティル

ダクティルの大きさは約 1.2 x 1.4 x 1.6 km である。ダクティルは衝突で飛び散ったアイダの破片か、引力に捕捉された別の小天体のいずれかであると考えられているが、確かなことは分かっていない。

1993年08月28日、4,000 km の距離から撮影された。
 

 

小惑星マチルド

マチルドは大きさは約 59 x 47 km の C 型小惑星である。画面中央の大クレーター(くらい部分)の深さは 10 km と推定されている。比較的大きなクレーターが見られることや、形状が角張っていることなどから過去に繰り返された大衝突で出来た小惑星であると考えられている。小惑星エロスとの遭遇に赴く途中の探査機ニア・シューメーカーが、1997年06月27日に 2,400 km の距離から撮影した。
 

 

最も明るい小惑星ベスタ

ベスタの直径は 501 km。1802年に発見された。知られている小惑星の中では3番目に大きく、そして最も明るい小惑星である。光の反射率は 25 % と非常に高く、輝度は時には6等級にまで達する。

石質は地球の溶岩に似た玄武岩のようである。表面は一様でない。左右相称でない形状、表面に多いこぶに似た部分、南極近くの目立つ突起は、ベスタが猛烈な衝突を被った名残であると考えられている。この突起は、衝突クレーターに聳える高さ 1万2,000 km の中央丘である。

1996年05月、地球から 1億1,000 km まで接近した時にハッブル宇宙望遠鏡が撮影した画像を、コンピュータ処理で再生したものである。ちなみに、一番大きい小惑星は1971年に発見された直径 1.6 km のケルベルスである。
 

 

探査機が初めて遭遇した小惑星エロス

エロスは火星の軌道の内側に近日点を持つ、最初に発見(1898年)された小惑星である。地球には最大 2,350 km まで接近した記録がある。2000年02月14日、ニア・シューメーカーが探査機として初めてエロスの周回軌道に乗った。画像は02月29日、上空 200 km から撮影されたエロスの姿である。

大きさは 35 x 16 x 7 km、大きなクレーターが多く、最大のもの(画面中央上の暗い部分)は、直径 5.3 km もある。このクレーターの底には、高さ 100 m の巨石が幾つか見られる。エロスは S 型の小惑星である。
 

 

連星小惑星トータチス

1989年01月に発見された。トータチスは大きさが 4.6 x 2.4 x 1.9 km で、じゃが芋のような二つの岩石からなる連星小惑星であることが分かった。 1992年12月08日、地球へ 350万 km まで接近した。最大のクレーターの直径は 700 m ある。

この画像は、NASA ジェット推進研究所(JPL)のゴールドストーン追跡管制所の口径 70 m のパラボラアンテナによるレーダー画像である。なお、トータチスは2004年09月30日、地球から 156万 km まで接近すると推定されている。
 

 

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