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IMAGE LIBRARY 太陽系 - Solar System

Modified: December 03, 2016

Jupiter - 木星 Chapter 1

木星は太陽系最大の惑星である。直径は 14万2,000 キロで地球の約11倍、質量は地球の318個分に相当する。小さな岩石の中心核を、水素(90 %)とヘリウム(10 %)が取り囲む巨大なガスの球である。中心核の周囲には、高温・高圧のために金属化した水素の層があり木星の高速回転と相挨って、地球の 1,200 倍もある巨大な磁気圏を作り出している。この磁気圏は、太陽風の荷電粒子を捕捉するため、周りには探査機に非常に危険な放射線帯が張り巡らされている。木星の中心核の温度は 3万5,000 ℃ もあり、太陽から受ける2倍の熱を放射している。
 

 

全体像

1979年01月24日、探査機ボイジャー1号が木星に4.000万キロまで接近して撮影した画像である。表面には、明るい帯と暗い縞が交互に並んでいる。探査機の観測により、これ等の帯や縞の内側では極めて複雑な大気流が渦巻いていることが分かった。表面には赤色や白色の斑点もあり、この中で最も大きいのが、大赤斑(画面中央下)として知られている巨大な嵐のメカニズムである。左下に見えるのは、太陽系最大の衛星ガニメデである。
 

 

木星のリングの位置

1979年03月04日、探査機ボイジャー1号の観測で、木星の周囲に光の反射力が弱い非常に細かい塵の粒子で出来ている3本のかすかなリングが発見された。木星のリングの直径は、約 25.8 キロで厚さは 30 キロ前後である。白線がリングの位置。
 

 

木星のリング

木星の薄いリングは、1979年03月04日、ボイジャー1号が最接近の前日に撮影した画像から発見された。いずれも煙の粒子くらいの黒い塵の粒子でできている。メインリングは幅が約 7,000 km あり、この中をアドラステアとメティスの木星に最も近い2つの小衛星が回っている。2つの衛星は、木星のリングを形成する物質の供給源である。メインリングの内側には微かな「ハローリング」があり、木星の雲の上方に広がっている。メインリングの外側には、ゴッサマーと呼ばれる極端に薄いリングがある。この画像は、探査機ボイジャー2号が1979年07月10日に撮影したものである。
 

 

大赤斑の周囲

木星の表面には、赤色や白色の卵型の斑点が現れて比較的長く生き続ける。有名な大赤斑は 300 年間も観測され続けている。 東西2万4,000 キロ、南北1万3,000 キロの巨大な大気の渦(ハリケーンに似た嵐)で、地球が2個すっぽりと収まってしまう大きさである。画面右下に見える二つの白斑は、 南極地域によく見られる雲の渦巻(嵐)である。 1979年06月29日、木星から 900万キロの距離から探査機ボイジャー1号が撮影した。
 

 

大赤斑のクローズアップ

ほぼ実際の色に近い大赤斑のダイナミックな姿である。1979年02月25日、探査機ボイジャー1号が570万キロの距離で撮影したものである。大赤斑の圧力は非常に高いので、風は渦を巻いて上昇して大気の上層部にガスを送る。このガスが太陽光に反応して、赤く見えると考えられている。木星の雲の色の発生原因は不明であるが、大気に含まれる微量成分による化学作用と関係があるようである。色は雲の高度により異なり、下から上に向かって、青色、褐色、白色、赤色と変化する。
 

 

木星を背にしたホットな衛星の揃い踏み

目下、太陽系で最もホットな天体のイオとエウロパ。画面左の大赤斑の上に写っているのが火山の衛星イオ。 画面右の縞模様の領域に写っているのが氷の衛星エウロパである。1979年02月23日、探査機ボイジャー1号が 1,100万キロまで接近して撮影したドラマチックなシーンである。この画像は、アメリカの天文専門誌「スカイ&テレスコープ」が行った1900年代の最も優れた天文画像の9位に入賞した。
 

 

木星とガリレオ衛星

木星には16個(当時)の衛星があるが、ガリレオ・ガリレイが1610年に発見したイオ、エウロパ、ガニメデおよびカリストのいわゆる四大衛星が最も有名である。画像は、衛星を木星に近い順番に右から左へと並べたものである。1997年05月29日、探査機ガリレオが撮った画像を合成したものである。
 

 

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