Dawn 探査機:ケレス高高度軌道への軌道変更を実施する

8ヶ月に渡ってケレスの近接観測を続けてきた Dawn 探査機は、まもなく高高度の軌道を取るコマンドを打つことになる(本日、未だその結果はニュースでは出ていない)。
 

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ケレスを軌道周回する Dawn 探査機を描いたアーティストコンセプト。
Image Credit : NASA/JPL-Caltech
 

8ヶ月に渡ってケレスの近接観測を続けてきた Dawn は、まもなく高高度の軌道を取るコマンドを打つことになる(本日、未だその結果はニュースでは出ていない)。

ISS 国際宇宙ステーションの地球周回軌道よりもケレスに近い軌道から観測を続けて来たが、以下に述べる理由から、現在の軌道よりも離れた科学観測の検討を行うステージに来たようだ。

6月30日を以って、用意されたケレス探査項目を完了し、新たなミッションの拡張に NASA が乗り出した。理由の一つとして、推進剤であるヒドラジンの残量が挙げられる。

「引力に抗いながらの仕事が非常に困難であり、残りのヒドラジンを慎重に使用するためにケレスにおける現在のポジションから高い軌道に Dawn を移動させる」
と述べたチーフエンジニアの Marc Rayman は、
「ほとんどの探査機は、そう簡単に自分の軌道高度を変更することはできないだろう。しかし、Dawn のイオン推進システムのおかげで、我々は大きな科学的リターンを得るために船を操縦することができる」と続けた。

9月2日には、Dawn はケレスから約 910 マイル(1460 キロ)の高度に向けて上向きに螺旋状で移動を開始する。昨年にドーンがホバーした位置に近いが、Dawn の軌道の向きは(具体的には、軌道面と太陽の間の角度が)今回は異っており、Dawn が今後行うミッションについては、異なる見解を持って臨むとしている。

プロジェクトチームは、拡張ミッションのロードマップを検討し、来月には NASA に確定したミッション計画を提出する。
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office