カッシーニ探査機 : 土星・リング間ダイビングにより辿り着くマイルストーン

NASA カッシーニ探査機は、2017年04月26日に土星とそのリングの狭い隙間を通って最初のダイビング(通過)を行う予定です。この隙間は、探査機が探検したことのない地域なので、搭載する皿型の高利得アンテナ(4メートルの横断面積)をリング面を通過する間に保護シールドとして使用します。

軌道上に微細粒子よりも大きな粒子は予想していませんが、ダイビング中は予防措置を取ります。
 

このイラストは、22回のグランド・フィナーレ・ダイビングを直前に控え、土星の北半球に位置するカッシーニ探査機の勇姿です。
Image credit: NASA/JPL-Caltech
 

カッシーニプロジェクトチームは、この後に続くダイビングに先立って、探査機の科学機器(電波およびプラズマ波サブシステム、Radio and Plasma Wave Subsystem)によって収集されたデータを使って、ギャップ内のリング粒子のサイズと密度を解析します。アンテナの向きにより、ダイビング中の探査機は、地球とは通信不可となります。

以下は、計画どおりに行われた場合、イベント中に発生すると予想されるマイルストーンです。
 

4月25日 PM 05:00(PDT):

カッシーニは土星とリングの間のギャップを通って、22回に計画されたダイビングの初飛行のために、土星の北半球を越えるように土星に近づいく。
 

4月26日 AM 01:34(PDT):

土星の南北を通過する間、カッシーニは高利得アンテナ外側平面を対向するリング粒子の方向に向けた状態で14分間に渡る回転を開始する。この方向に向けることにより、アンテナはカッシーニの搭載機器と工学システムの保護シールドとして機能する。
 

4月26日 AM 02:00(PDT):

カッシーニはダイビング中にリング面を横切る。探査機搭載の科学機器はデータを収集するが、この現時点では地球とは遮断されている。
 

4月27日未明(PDT):

カリフォルニア州ゴールドストーンの巨大な宇宙空間アンテナ(70フィート)に。カッシーニからの通信が届き、その後、画像のダウンロードが可能になる予定。
 

カッシーニのエンジニアが探査機の状態を監視しながらも、これらマイルストーンの更新が続く。以下のウェブで確認頂きたい。
Cassini: Mission to Saturn: Milestones
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office