Dawn ミッション:フィナーレに、これまでにない低軌道


NASA Dawn 探査機は、太陽系内において唯一の矮小な惑星ケレスを近接撮像するため、これまでにない最も低い軌道へと向かう。
 

2018年05月16日、約 270 マイル(440 キロメートル)の高度から取得した画像。
 

6月上旬、Dawn 探査機は、最終的なこのケレス周回低軌道に到達する。直後に、これまで前例がなかったポイントから、画像やその他の科学データを収集し始める。この低軌道は、ケレスの表面から 30 マイル(約 50 キロメートル)の距離を通過するが、過去に最接近した際の軌道高度と比較して 10 分の 1 である。

ケレスの最上層の化学構造の変化を理解するために、Dawn 探査機はガンマ線と中性子スペクトルを収集する。

Dawn 探査機が、これまでの軌道から最終軌道へと移動することは、道路で車線変更するような単純なミッションではない。

Dawn ミッションチームは、イオンエンジンによって推進されている百戦錬磨の探査機をこの第2の拡張ミッションのコースにプロットするため、数ヵ月間の活動を要した。エンジニアは、最良の科学観測を可能にする計画立案にあたって、45,000 以上の可能な軌道を描いた。

Dawn 探査機は2007年に打ち上げられ、これまでよりもさらに掘り下げた太陽系の本質を明らかにするために、小惑星メインベルトにあるベスタとケレスの二つの太陽系最大級の小惑星を探査している。ケレスの軌道に入ったのは、2015年03月であった。

カリフォルニア州パサデナの NASA JPL(ジェット推進研究所)のキャロル・レイモンド(Carol Raymond)は、次のように述べている。
「チームは、詳細な組成と高解像度画像が届くのを熱い思いで待っている。これらの新しい高分解能データ取得により、私たちは以前に取得したのデータと併せて分析し、この魅惑的な矮星の新たな特色を発見することができる」
 

Dawn 探査機の予定軌道に関する詳細は、Marc Rayman の ” Dawn Journal ” にある。Rayman は Dawn ミッションのミッションディレクター兼チーフエンジニアとして活動している。

Dawn ミッションについての詳細は、以下のサイトを参照いただきたい。

Dawn NASA

Dawn Mission JPL
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office