メンバーの「日々の寄せ書き」(追跡状況)
 

February 17, 2021 : M. Yonezawa Wrote.

レナード、再び!
02月13日から14日にかけて、レナード彗星撮影に再挑戦しました。
前回の反省を受けて、今回は高感度短時間露光で挑みました。機材は前回と同じ 13 cm 屈折望遠鏡とモノクロ冷却 CMOS カメラ、場所は前回と違いますが、ほぼ同じような環境の長野の標高 1200 m の山です。

結果は、大成功!!
時間経過とともに移動していくレナード彗星の様子を捉えることができました。[図 1] は、それを確認した歓喜の瞬間。撮影から画像処理をその場で行い、カメラ設定を微調整しながら何度も挑戦しました。
 

図 1 : 歓喜の瞬間!
Image Credit : M. Yonezawa
 

去年のはやぶさ2観測成功と同じくらい嬉しい観測でした。難易度はレナード彗星の方が遥かに上です。現在の明るさでは高感度の冷却カメラがあればなんとか写るかなという所感です。

そういえば、この観測中に東北地方沖合を震源とする強い地震がありました。ちょうどその時間は撮影しておらず、そもそも長野はほとんど揺れなかったらしいので観測には影響ありませんでした。
不吉な彗星と言われないように、少なくとも明るくなる年末までは平穏であってほしいです。


February 13, 2021 : K. Tsukada Wrote.

思い出話
(このチームに入って)阿部新助さんとの出会いを少し思い出しました。
大学入学直前の2003年、水戸市で行われた高校生天体観測ネットワーク(Astro-HS)の全国フォーラムの場でしたね。たぶん、初めて研究者の方に名刺をいただいたのが阿部さんでした。

当時、自分は高校生でもなく(浪人明けだった・笑)、大学生でもない、という、ものすごい微妙な立場で知り合いがほとんどいない中での参加だったので、いろいろお話をしてくれた阿部さん(と矢野さん)には非常に感謝しています。

以上、「思い出話」でした(笑。


February 11, 2021 : A. IMOTO Wrote.

阿部新助協会理事との懇談
さてさて、すでに幾つかの観測事例が報告されていますが、まだまだどう成長するのか判らない「レナード君」です。何度でも機会がある彗星の観測ですが、こうしてそのひとつにスポットを当てて、集中して経過を観察してみるというのも良い活動ではないかと思うのです。

現実には、やったらやったで「ギャーギャー騒ぐな!」とか、「どうなるかも判らないのに」などのご意見も頂きます。「貴重なご意見」、ありがとうございます。まあ、これも「試練」です(笑。あ、何もやらないときは「何をサボってんねん!」なんですけどね。

観測画像一覧には、三点の画像を掲載しました。海外からも観測成果が届いており、近く掲載します。ということで IMOTO は今から、流星研究・惑星科学でおなじみの、阿部新助氏と懇談に臨みます。MEF 小天体探査フォーラムの代表であり、協会の理事も務めてくださっている阿部さんですので、TPSJ 運営に関するお話もあるかと思います。では行ってきま~~す!


February 07, 2021 : M. Yonezawa Wrote.

レナード彗星観測に初挑戦!
02/06~07にかけて、C/2021 A1 Leonard(以下レナード彗星)の撮影に試みました。

Trackers 2021 が発足してから初めての撮影の機会ということで気合い十分だったのですが、結果は失敗。標高 1,300 m の長野の山という環境で、13 cm 屈折望遠鏡+冷却 CMOS カメラで挑みましたが、何度画像処理を繰り返してもレナード彗星らしき光跡は掴めませんでした。原因は私の予習不足、彗星の移動速度を把握してなかったのです。
 

星図が示す位置にレナード彗星と確信できるものが写ってない!!同じ素材、レナードより暗い 18.5 等とか 18.9 等の銀河は写ってるのに!!
画像は レナード彗星があると予測した中心部の拡大。2021/02/07 01:30 ころ撮影。
 

この Trackers 2021 のメンバーではありますが、実は彗星を撮影したことは今までほとんどありません。比較的低感度の長時間露光の恒星時追尾で撮影しましたが、その間に彗星は星の間を移動するため、加算平均するとレナード彗星の光跡が消えてしまうのです。まだ02月とはいえ、彗星の移動速度は無視できるレベルではありませんでした。撮影には自信があったのでとても悔しいですが、新たな知見を得ることができました。撮影条件を変えて再挑戦します。


以上のレナード彗星撮影への挑戦以外でも、多様な銀河(Arp148 とかマウス銀河 etc.)や、板垣公一さんが発見したばかりの超新星 SN2021 bge、小惑星 Urashimataro(浦島太郎)を撮影したりと、とても充実した夜でした。