はやぶさ2地球スイングバイ観測で集結!


「はやぶさ2地球スイングバイ」観測キャンペーンとは、日本公開天文台協会(JAPOS)が主催で行う関連施設向けの観測支援企画に併せて、日本惑星協会(TPSJ)が一般向けへの対応を担うという「連動企画」でした。これが日本惑星協会における「太陽系人工構造物観測プロジェクト」の始まりでした。

その後、OSIRIS-REx 地球スイングバイ日米共同観測キャンペーン(2017年)や、BepiColombo 地球スイングバイ観測キャンペーン(2020年)などのイベントを重ねて本年の SLIM 観測チャレンジに至りました。
このウェブ紙は、これまでの活動の記録と、次回のイベントに向けた準備状況等をお知らせするものです。
 



「JAXA 小型月着陸実証機 SLIM 地上観測チャレンジ」

Dec. 05, 2023 - Jan. 17, 2024


2023年12月05日、倉敷科学センター三島氏より SLIM(Smart Lander for Investigating Moon)地上観測に関するメイルが「太陽系人工構造物観測プロジェクトチーム」内に流された。予想等級や位置情報を提供してくれる JPL-Horizons 状況が記されている。月、太陽の位置関係から、12月07日あたりまでチャンスはあるのではないかということであった。諸条件から、「さじアストロパーク」の織部氏に白羽の矢が立った。

その織部氏、一か月ほど前から観測を検討していて、位置情報の不正確さ(Horizons とステナビの位置が合わない)から難しい観測であるとの見解を示した。

その後、一か月が過ぎた本年01月09日、JPL-Horizons ウェブにて SLIM の軌道が表示されていることが織部氏から報告。予報光度は17日宵で22等、19日宵で21等、とても厳しいが「さじ」でチャレンジしてみようということになった。さらに三島氏から14日の観測条件が示され、18等~19等程度に明るくなる可能性があるかもしれないということで、織部氏は、14日からの観測開始とした。

14日、早々に織部氏から観測結果が報じられた。18等級前半であれば捉えられるという露出条件で臨んだが、結果として撮像には到らなかった。原因は、主に明るさであろうとのこと。人工構造物は宇宙では少しの角度で太陽光の反射が変じてしまうことから、SLIM の宇宙空間での姿勢が地球からの観測に好条件を与えてくれなかったということだろう。織部氏、16日にも再挑戦することを決めていた。しかし、、、
 

鳥取さじアストロパーク近辺は雲天

「SLIM を地上からとらえる作戦は、これで終了かなと思われます(鳥取はこの後もしばらくは悪天気)。あとは無事に着陸することを願うばかりです」(織部)

織部氏の挑戦は終了した。でも SLIM(SLIM ファンの皆様も)、君を地球上から目で追っていた熱いファンがいたんだ、ということを記憶に留めていて欲しい。
 

かなり端折っておりますが、でも我ら「太陽系人工構造物観測プロジェクトチーム」、いつもとても熱いです。今回は、三島和久氏、織部隆明氏、井上毅氏らの「出演」によるチャレンジでした。井本はこうして「後処理」を担っております。。。

※ 出せる画像等が無いので、テキストのみ。



これまでの主な観測プロジェクト
 

はやぶさ2地球スイングバイ観測キャンペーン 2015

OSIRIS-REx 地球スイングバイ日米共同観測キャンペーン 2017

BepiColombo 地球スイングバイ観測キャンペーン 2020

はやぶさ2 おかえり!共同観測キャンペーン 2020

アルテミス君の「初めてのお使い」観測キャンペーン 2022

小惑星探査機 OSIRIS-REx 地球フライバイ&リエントリー・カプセル放出観測 2023

NASA Psyche 見送り観測チャレンジ 2023

小型月着陸実証機 SLIM 観測チャレンジ 2024

加筆・編集中



太陽系人工構造物観測プロジェクトチーム

2015年の「はやぶさ2探査機地球スイングバイ」キャンペーンで集った有志による観測企画立案チームです。

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office