NASA 氷衛星探査機 Europa Clipper「NASA Europa Clipper(エウロパ・クリッパー)へあなたの名前を搭載、締め切りまであと六週間」

原文 : November 13, 2023 : Time Is Running Out to Add Your Name to NASA´s Europa Clipper


木星の衛星エウロパを探査する宇宙機に搭載されるマイクロチップに、あなたの名前を追加するチャンスはあと六週間残っている。
 

Imahe caption :
「メッセージ・イン・ア・ボトル」キャンペーンでは、米国詩人エイダ・リモンの詩「In Praise of Mystery」と共に、木星とその衛星エウロパを目指す探査機エウロパ・クリッパーに搭載される。
Credit : NASA/JPL-Caltech
 

火星を超え、木星とその衛星エウロパまでの深宇宙に自分の名前を送るチャンスは、一般市民にはそうそうない。しかし、NASA エウロパ・クリッパー計画実施によって、そのチャンスが訪れた。
凍った外殻の下に海洋が湛えられているとみられる木星の氷衛星まで、18 億マイル(26 億キロ)を旅する宇宙機に名前を乗せるキャンペーンだ。この「メッセージ・イン・ア・ボトル」キャンペーンへの参加締め切りは、あと六週間後となっている。キャンペーンの締め切りは、2023年12月31日午後11時59分(米国東部標準時)である。

これまでのところ、約 70 万人の名前が提出されている。すべての名前が集まると、南カリフォルニアにある NASA JPL(ジェット推進研究所)のマイクロデバイス研究所の技術者が、電子ビームを使ってダイムサイズのシリコン・マイクロチップにステンシルする。テキストの各行は、人間の髪の毛の幅(75ナノメートル)の 1/1000 よりも小さい。

このチップは、このミッションを記念して米国の詩人 Ada Limón(エイダ・リモン)が書いたオリジナルの詩「In Praise of Mystery」が刻まれた金属プレートに取り付けられる。宇宙機の外壁に取り付けられ、詩と名前が瓶の中のメッセージのように、海洋を湛えた氷衛星を約 50 回近くフライバイする。

「メッセージ・イン・ア・ボトル」は、NASA が太陽圏やその外を探査した宇宙機にインスピレーションを与えるメッセージを搭載してきた長い伝統から生まれたものである。このプログラムは、1977年にボイジャー探査機が行ったように、地球上の生命の多様性を反映した音と画像のタイムカプセルを送ることで、世界中の人々の想像力をかき立てることを目的としている。

署名申し込み、アニメーション・ビデオによるリモンの詩の朗読を聞くには、以下を参照:

https://go.nasa.gov/MessageInABottle

また、このサイトでは、参加者がこの体験を記念して、カスタマイズ可能な記念品(エウロパと木星が描かれたボトルに入ったメッセージに自分の名前を入れたイラスト)を作成し、ダウンロードすることができる。参加者は、ハッシュタグ「#SendYourName」を使ってソーシャルメディアで熱意を共有することが奨励されている。
 

More About the Mission(ミッションの詳細)

エウロパクリッパーなどのミッションは、宇宙生物学の分野、つまり私たちにとって既知である生命が存在する可能性のある遠い氷世界の変数と条件に関する学際的な研究への貢献を促す。エウロパクリッパーは生命探査ミッションではないが、木星衛星エウロパの詳細な観測を行い、氷下に海洋がある氷衛星に、生命を維持する能力があるかどうかを調べる。エウロパの生命居住性を理解することは、科学者が地球上で生命がどのように発達したか、そして我々の惑星地球外において生命発見の可能性についての理解を向上させる。

カリフォルニア工科大学がカリフォルニア州パサデナで管理している JPL は、ワシントンにある NASA の科学ミッション局の APL と協力して、エウロパクリッパーミッションの開発を主導している。アラバマ州ハンツビルにある NASA のマーシャル宇宙飛行センターにある惑星ミッションプログラムオフィスは、エウロパクリッパーミッションのプログラム管理を実行する。

エウロパクリッパーの詳細については、以下を参照いただきたい。

NASA's Europa Clipper
 

News Media Contact

Gretchen McCartney
Jet Propulsion Laboratory, Pasadena, Calif.

Karen Fox / Alana Johnson
NASA Headquarters, Washington

2023-120



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office