NASA Artemis(アルテミス) I SLS「NASA は09月上旬の Artemis I SLS の打ち上げを中止し、次の機会を検討」

原文 : September 03, 2022 : NASA to Stand Down on Artemis I Launch Attempts in Early September, Reviewing Options

Rachel Kraft Posted on September 03, 2022 06:26 pm
 

液体水素燃料供給ラインと SLS ロケットとの接続部であるクイックディスコネクトからの水素漏れを克服できなかったため、本日の Artemis I 打ち上げ試行を中止した後、ミッションマネージャは会議を開き、09月初旬の追加の打ち上げ試行を見送ることを決定した。

今後数日間、チームは発射台 39B の漏洩箇所へのアクセスを確立し、並行してスケジュール評価を行い、極低温条件下でテストできる発射台でシール交換作業を行うか、それとも Vehicle Assembly Building(ロケット組立棟、VAB)内に戻して行うかを決定するための追加で詳細データを提供する予定だ。

現在 25 日間とされている飛行終了システムの認証のための東部射場による要求を満たすために、NASA は次の打ち上げの前にロケットと宇宙機を VAB に戻し、システムのバッテリーをリセットする必要がある。飛行終了システムは、公共の安全を守るために、すべてのロケットに義務付けられている。

本日の打ち上げ試行で、エンジニアは、SLS ロケットの液体水素の充填と排出に使用される 8 インチのラインを囲む地上側とロケット側プレートの間の空洞に漏れがあることを確認した。3 回にわたって密封をやり直したが、うまくいかなかった。チルダウンと呼ばれる水素充填作業の初期段階で、マイナス 423 度の超低温の液体水素をロケットのタンクに流し込む前に、発射管制官がラインと推進システムを冷却する際に、不注意からシステム内の圧力を一時的に上昇させるコマンドを送信してしまったことが原因のようだ。ロケットは無事で、この圧力上昇がシール漏れの原因になったかどうかを判断するのは時期尚早だが、エンジニアはこの問題を注意深く調べている。

月への打ち上げには複雑な軌道力学が必要なため、NASA は現在の打ち上げウィンドウとして、09月06日(火)までにアルテミスIを打ち上げなければならなかった。打ち上げウィンドウの一覧は以下にある。

Artemis I Mission Availability
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office