NASA OSIRIS-REx Mission「OSIRIS-REx(オシリス、オサイリス・レックス)探査機、着陸地点付近でサンプル・カプセルを待つ回収チーム」

原文 : September 24, 2023 : Recovery Team Waiting for OSIRIS-REx Sample Capsule Near Landing Zone

Lonnie Shekhtman posted on September 24, 2023

探査機が地球から離れ、新たな目的地に向かって移動している今、NASA OSIRIS-REx(オシリス、オサイリス・レックス)チームの視点はカプセルに向けられている。

OSIRIS-REx と軍の回収チームメンバーは、4 機のヘリコプターと 2 台の予備地上車両に乗り、国防総省のユタ試験訓練場にあるカプセルの指定着陸地点のすぐ外で待機している。チームの目標は、地球環境からの汚染からカプセルを守るため、できるだけ早く射場内の仮設クリーンルームにカプセルを運ぶことだ。

カプセルは大型トラックのタイヤほどの大きさで小さく、ほとんどの人が立ち入ることのできないエリアに日中にやってくるため、降下して着陸するカプセルを肉眼で見ることはできない。

カプセルには位置センサーがないため、チームは降下を追跡するために航空機と地上の観測機器に頼ることになる。赤外線観測機器は、カプセルがまだ上空にあるときの熱シグネチャーを追跡できるはずだ。この熱は、カプセルと地球の大気との相互作用から生じる。カプセルは時速数千マイルで移動するため、大気の圧縮はカプセルを過熱した火の玉で包むのに十分なエネルギーを生み出す。カプセルは、内部の温度を調節する熱シールドによって保護され、ベンヌの地表と同程度の華氏 167 度以下に保たれるため、サンプルは安全だ。

レーダーと光学機器もカプセルを追跡する。カプセルが H135 ヘリコプターに搭載された光学カメラに捉えられるほど低くなると、ヘリコプターはカプセルの最終降下と着陸を NASA TV とウェブサイトでライブ配信する。

カプセルが地上に降り立つと、米国東部夏時間 EDT 午前10時55分(日本時間午後23時時55分)ごろ、レーダー機器がカプセルの座標を提供し、回収チームが着陸地点に向かう段階となる。
 

More About the Mission(ミッションの詳細)

Goddard は、OSIRIS-REx の全体的なミッション管理、システムエンジニアリング、および安全性とミッションの保証を提供する。アリゾナ大学ツーソン校の Dante Lauretta(ダンテ・ローレッタ)が主任研究員である。大学は、科学チームとミッションの科学観測計画およびデータ処理を主導している。コロラド州リトルトンにあるロッキードマーティンスペースは、宇宙船を製造し、飛行操作を担う。Goddard と KinetX Aerospace は、OSIRIS-REx 探査機のナビゲートを担当している。OSIRIS-REx は、NASA ニューフロンティア計画の三番目のミッションであり、アラバマ州ハンツビルにある NASA マーシャル宇宙飛行センターによって管理されている。

OSIRIS-REx の詳細については、以下のWebサイトをご覧いただきたい。

OSIRIS-REx | NASA
 



Akira IMOTO

Editorial Chief, Executive Director and Board of Director for The Planetary Society of Japan

Japanese Translation : A. IMOTO TPSJ Editorial Office